こんにちは♪
地域おこしライターのたなきゃめらです。
美濃和紙と言えば、
和紙を漉くこのような場面や、
近年、ユネスコ無形文化遺産に登録された「本美濃紙」の技術 などなど・・・を想像されると思います。
そもそも、和紙の原料って、どういうものかご存知ですか???
楮(コウゾ)です。
正直言って、地味な植物です( ;∀;)
落葉低木で、クワ科に属しています。
うまく栽培すれば、1年で4mほどまで伸びます。
実は、昭和初期辺りまで現在の「上之保」や「武儀」地域、津保谷で栽培していました。
美濃和紙に関わる職人や研究者の間では、津保谷を流れる「津保川」流域で多く栽培されていたことから「津保草」と呼ばれています。
お伝えしたいことはたくさんありますが、書ききれないのでまた後日にしますね。
上之保地域住民の方に「津保草」について聞いてみたところ・・・
5か所で見つけました!
その中の1か所で平成29年4月から1年間栽培をしてみました。
そして、上之保で栽培当時やっていた、楮の刈り取りと蒸し作業、皮引き、乾燥を地域の方と行いました。
栽培場所はココ♪
隣に茶畑があり、土地の所有者の方も子どもの頃美濃町へ出荷のお手伝いをしていたそうです。
4月頃、芽が出て、
6月頃になるとこんなに立派な葉をつけます。
なんと、手のひらサイズのも!
見ずらいですが、中心に1本まっすぐに伸びている枝があり、そこから、交互に脇芽が出てきます。
切りすぎもよくないですが、適度に切ります。
脇芽を適度に取っておかないと、脇芽も太く大きくなり、枝の内側にある紙の繊維が、後ほど行う皮を剥くときに引かかってしまい、繊維が切れてしまいます。
楮の質は繊維の長さが長いほどいいと言われています。
5月~8月の短期間で最高4mも生長するコウゾにとって、脇芽掻きは楮の質、言わば、紙の質を高めるために重要な作業と言えます。
落葉低木である楮は、秋には葉が落ち、
ただの棒になっちゃいます( ;∀;)
枯れているわけではないのでご安心ください。
写真の楮は折れていたり、曲がっていたりしていますが、しっかり育てればまっすぐに生長します。
栽培地区によって刈り取り・蒸す・乾燥時期は様々ですが、今回は、上之保で栽培当時、1月上旬から中旬辺りでしていたことから、1月中旬に行いました!
これから、上之保地域の方と一緒に当時の記憶を頼りに1月15日に明ケ島地区にて刈り取り、蒸す・乾燥作業を行った様子をご紹介します。
まずは、刈り取りから開始します。
枝に直撃しながらも、
軽トラ1杯分くらい刈り取りしました!
そして、
刈り取った楮を後ほど蒸すときに使用するドラム缶に入るくらいに切り揃え、束ねます。
みなさん、真剣な表情。。
このように束ねます。
これがなかなか労力がいる作業。
きつく束ねないと、後ほどばらけてしまいます。
あらかじめ、
火を焚いておいたところに、
栽培当時、実際に使用していた釜と、
ワラをかぶせます。
いよいよ、切り束ねた楮をドラム缶に入れ、
蒸します。
一人では重すぎるドラム缶。
みんなで協力して被せました。
そこから、しばしの休憩。。。
2時間ほど蒸します。
被せたドラム缶の先端にある蒸気口に、火のついたマッチを近づけて火が消えなければ、蒸し上がった証拠です。先人の知恵ですね~
蒸し上がると、
早速、匂いを嗅ぐお父さん。
あまりの懐かしさに「俺、60年ぶりに嗅いだわ」
「あーこの匂い!匂い!」と言っちゃう・・・
この焼き芋のような、なんとも言えん匂い。
周りにいた方も一斉に皮を剥いて匂いを嗅ぎます。
この日、最高潮に沸き上がりました!
ぼくも・・・
まるで干し芋のような匂い。。。
この匂いは癖になりそう・・・
楮を蒸した人だけが嗅げる醍醐味ですね~
刺さらないように表皮を剥きます。
ここできれいに剥くために蒸します。
ほんとにスルスルと剥けて、正直、楽しいです( ;∀;)
みんなで協力して行いました!
剥いた楮は、束ねて乾燥させます。
これにて終了!
実際にやってみて率直に思ったことは、
「終始笑いや笑顔が絶えず、みなさん生き生きとされていた」こと!
美濃和紙職人によると、3年~5年間しっかり栽培しないと本来のコウゾの質は得られないとのこと。
今回は1年栽培しただけなので、蒸した楮は美濃市に寄贈したいと考えています。
でも、これからもずっと続けていきたいです。
後日、中日新聞(2018年1月18日付中濃版)に掲載頂きました!
この記事を見た方から「これって、私たちもできないのー?」。
来年度は、地域外の方々を対象にしたワークショップにするのもアリかなと考えています!
ではでは~。
今回もお付き合い頂きありがとうございます♪