こんにちは♪
地域おこしライターのたなきゃめらです。
5月下旬に、ロードバイクで新緑の津保川を横目に駆け抜ける「せきサイクルツーリング2018 in津保川」が上之保温泉「ほほえみの湯」を発着点に開催されました!
このイベントは、今年で4年目。
2つのコースがあり、ロングコースは100キロを約330人、ショートコースは40キロを約150人、計480人が参加しました。
休憩場所が6か所設けられ、各所で上之保特産「ゆず」を使用したマドレーヌや、武儀地域からは「ありがとう!平成時代!」のキャラクターの焼印入りパン等、地元の食材や特産品などを使用した一品が振る舞われました。
今回は、そのうち、武儀地域にある、お宮の清水で振る舞われた、朴葉寿司を作るところから取材しました!
サイクルツーリング前日の19日。時刻は夜7時30分。
普段は付いているはずのない調理室の明かりが灯っています。中を覗くと、大勢の年配の女性が忙しそうに動き回っていました。
「かみのほ皐月クラブ」の皆さんです。
朴葉寿司を作る数はなんと1560個!!!
朴葉の葉を洗う人、炊けたご飯を混ぜる人、朴葉の葉に包む人…それぞれの方がそれぞれの役割を手際よく果たしています。
どのように作っているか、ご紹介します♪
ご飯が炊けると、大きな釜を持った方が「5回目のごはん炊けたよー、人足らんで誰か手伝ってー」。掛け声とともに数人が手伝いに向かいます。
芯が残らずおいしく炊けるように上に載せておいた昆布を取り、酢とマスを入れます。
冷めないうちに手早く2〜3人で協力しながら混ぜます。
マスは、3日前に骨を取り、さばき、酢に漬け込んでおいたもの。漬込む際、焼く人もおられるが、より味を染みわたらせるために生でやるのがポイント。酢に漬込むひと手間で、身がしまって美味しくなるそうですよ。
朴葉寿司を包む顔くらいの大きさの朴葉の葉には殺菌作用があり、上之保地域では多くの家庭で毎年この時期になると作っています。私も今までに何人かからご馳走になりましたが、味付けや具材など、少しずつ違って食べる側も楽しいです♪
今回使用した朴葉の葉は葉の汚れを落とすためにスポンジでなぞるように洗います。特に葉脈の部分にはハダニが付き、黒く変色していることがあるため念入りに!
去年は葉が小さく適当な大きさの葉がなく、探すのに苦労したそう。朴葉の葉は成長が早く、タイミングを逃すと葉が固くなってしまう。その年によって柔らかさや大きさが変わってくる。少女Aと呼ばれるクラブ員によると「今年は柔らかく、ちょっと早いかもしれん。毎年この時期になると食べたくなっちゃう」と朴葉寿司への愛を語っていました。
ここで、かみのほ皐月クラブについてご紹介します。
旧上之保村の花だった「サツキ」が由来となった「かみのほ皐月クラブ」をまとめるのは加藤さんです。
クラブ員は17人。加藤さんが「上之保の役に立ちたい!」という想いを周囲に話すうちに自然と主に川合地区に住む同志が集まりました。
7年前、第1回「スポーツと祭り・文化の祭典」(←村民運動会のようなイベントです)が行なわれるときに声がかかり、クラブとして初めて出店しました。その後、ゆず祭りや産業祭など、地元の行事には常連で出店しています。出店数は今までに15回くらいになるそうですよ。
加藤さんは「私、上之保のことが好きなんや。廃校を利用してカフェを開いて地域住民が集まれる場をつくりたい」と夢を語っておられました。
さてさて、朴葉寿司づくりに戻りますね。
いよいよ朴葉の葉でマスが混ざった酢飯を包んでいきます。
ご飯の分量を量る係、葉に包む係、寿司桶(おけ)に入れる係と分担し協力し合いながら作業を進めます。
ここでテクニック!!
葉に包むとき、ご飯が朴葉の葉からこぼれ落ちないように形を整えたり、
寿司桶に入れるのでも均等のバランスになるよう、置き方や朴葉の葉が浮かないように注意したりしながら置いていきます。
簡単そうでコツのいる作業です。
最後に、寿司桶一杯に入った朴葉寿司の上に重しを置き、一晩置きます。
ようやくこの日の作業は終了・・・
いよいよ、サイクルツーリング当日。朝6時。
真っ青に晴れ渡り、清々しい!
一晩置いた朴葉寿司を2個ずつ入れて完成、だと思いきや、またひと手間です。
昨日せっかく包んだ朴葉の葉を広げ、見た目と風味をよくするため紅しょうがを上に載せます。
そして、パックに朴葉寿司を入れ、
ようやく完成しました。
この後、かみのほ皐月クラブの皆さんが、ツーリング参加者に配ると思いきや・・・
この時は配っていなかったので、ツーリング参加者に食べた感想を聞いてみました!
▼「嫁の実家が上之保で、8年前から貰って食べてます。馴染みの味でおいしいです。」(岐阜市在住・男性)
▼「景色見ながら走るだけでなく、各休憩所で名産品を食べて地域を感じることができて楽しい。初回から参加してます」(土岐市在住・男性)
▼「酸味があっておいしい。お酢は疲れが取れるのでありがたい」(瑞穂市在住・男性)
▼「沿道からいっぱい手を振ってくれて元気がでた。朴葉寿司は知り合いから毎年もらいます。」(江南市在住・夫婦)
岐阜県だけでなく愛知県からも来られているんですね。
各地から津保谷にお越しいただきありがとうございます。
「地元が好き。地元のために何かしたい!」という想いから始まった「かみのほ皐月クラブ」。
「かみのほ皐月クラブ」の皆さん、お疲れ様でした。
住民同士の繋がりや団結力は、津保谷の宝です。