さていきなりですがタイトルのヘボ、みなさんわかりまっか?わたくしの生まれ育った大阪では、ヘボいうたらヘボいやらしょぼいやらあまりよろしくない言葉ですが、ここではちゃいます、ヘボとは蜂です、正確にゆうと「シダクロスズメバチ」。上之保に来てからその存在は知ってとある居酒屋で偶然出会いました。
甘すぎず、辛すぎず、絶妙な味付け、見た目が苦手な人もいるみたいやけどわたしゃ問題なし!個人的には辛口の日本酒とあわせたいところですな。
さてではこのヘボをどうやって獲るのか、その現場に密着してきました!
「今から山はいるぞ」
「マジっすか、ついて行っていいですか?」
「ええよ、研修やな」
そんなやり取りから始まりました。
1日目
一通り準備して出発、まったくどんな展開になるかわからずとりあえずついてゆく。この辺はウキウキ冒険気分、今年は例年に比べるとヘボが少ないとの事で、どうやら昨年の水害が影響しているとか、自然相手やでなー、でもおることはおる!と力づよく話していました。
アウトドア派、趣味はボルダリング、自然の岩場にも登りにいく私、それでもなかなかのアプローチ、ちとトレーニング不足なこの頃をさっぴいてもきつい…
御年78歳の名人もこの山にはいるのは久しぶりな様子だがこれが普通な様子。
そうこうしてポイントへ到着!
こんなふうにしておびき寄せるんや、一見怪しげな儀式にもみえるが、
とりあえず待つ、10分、20分、ほどか
「来んな、移動するか」
「了解す」
さらに奥へそしてさらに険しい、これが結構きつい、写真を撮る余裕もなくなってくる。
これは!?
初めてみた、これがぬたば、ここで体についたダニや寄生虫を洗い落とすんやね。
更に進む。
次のポイントでなんかきた!スズメバチの一種らしいけどこれは違うみたい、ヘボはもっと小さくて黒いらしい!
あたいのイメージやと、蜂といえばハチミツ、あれはミツバチやね、日本ミツバチ、西洋ミツバチやら〇〇養蜂所とかローヤルゼリーやらプロポリスやらカラダに良さげなもんたっぷりやね、ほんで蜜を吸う花の種類によって、これまたアカシアとかレンゲとか色々な種類のはちみつになるわけやね、今回のヘボはスズメバチの一種やけど、これらは肉食みたいやね、ほんでこの蜂の幼虫と成虫なったやつも甘露煮やヘボ飯ゆうてごはんと一緒にこれまた甘辛く炊いたやつを食べるんやね、どうやら岐阜、愛知、静岡あたりの山間部で貴重なたんぱく源として食べられてきたみたいやね。上之保の人に聞くと、見た目がダメで食べへんゆう人もおるし、昔から伝統的に食べるゆう人もいてはるし、人それぞれやね。
さてさて現場の方に戻りまして更にポイントを変えて待ち、その時は突然やってきた。
「きたぞ!ヘボや!」
「まじっすか!」
初対面の印象はわりと小ぶりでかわいい感じやね、ちびこいせいかスマホではピントがなかなかあわなんだ。ほんでこっからやけど、まずはそのまま餌をもたして飛ばすんや,なんで魚の皮むくのかこの時わかった、ヘボが魚の身を団子にするのに皮があったらやりにくいんやね、よし!まずはなんも付けずに飛ばして戻ってくるまでの時間を測って、おおよそ距離を予測するんや、2分、3分
「ほんまにもどってくるんすか?」
「絶対戻ってくる、大丈夫や」
4分、5分頃か、来た。戻ってきた!!師匠ほんまにきたー!!
「ちょっと距離あるな」
「そうなんすか」
「つぎは目印つけて飛ばすから、見とってな」
「了解っす!」
魚の身をちっこく丸めて、目印つけてヘボにもたす!
「いくど」
「はい」
「いった!いった!」
ざっくりあっちすね、ほんでそんなに追えないし、見失う。
「何回でも戻ってきよるから大丈夫や」
そしてこれまた時間を測る、目印つけたぶん、それを切って帰ってくるからその分ちょっと時間がかかるんやて、カラダにくくりつけてるわけじゃないからね、餌にまきつけてるだけやからね、だから一回目は目印つけずに飛ばしてより正確な時間を測って距離を予測するわけやね、なるほど。
7分ぐらいかな、戻ってきた、やっぱりさっきよりかかったね。
今度はさっき飛んでいった先で待機、今度はもっと追うぞ!
「いくどー!いったどー!」
「きましたー!あっち方面すねー」
「うむ」
追うといっても、目で追うので精一杯、これは持久戦、しかしこの時点で14時頃か、水分はあるが、食糧をもってきてない、あかん、腹減った。しかし我研修の身、ここは耐えるのみ。ここで餌ポイントをより手前に移動、毎回ゼロから追うよりちょっとでも進んだとこから追ったほうがより巣に近づけるやろ。
がしかし、ポイントを変えたことによって、肝心のヘボがこない、はじめの餌ポイントに忠実に戻ってるんやね。
「まぁ、だいたいわかったらから、今日はここいらでひきあげるか」
「ですね」
さすがに腹減り度も限界きてたので良かった!
ヘボ見つけれたし、こんな感じでやるってのも体験できたし、とりあえず初日はこんなところで終了。
明日も行くってことでよろしくお願いします。ありがとうございました!
二日目
「おはようございます」
「おはようさん」
今日は巣まで行く気満々でっせー!
てことで入山!がっつりブログ予定してなかったので素材が少ない事に今気づく
こらミスったな。でもこんな事もあったんやで!
「赤マムシや!」
興奮気味に師匠が発した声が山に響いた、とりあえず木の棒で押さえる、しかし入れ物がない、「ペットボトル!」師匠、お茶一気飲み、空にしてマムシin!
赤マムシはレアなんやで!効能もノーマルのより効くらしい。
そんなこんなで昨日の続き
きませんなー、ちょいちょいポイントずらしてヘボを待ちつつ、マムシもおらんか気にかけるようになる。しばらくしてヘボ参上
素材がないもんでこんなブレブレで堪忍やで
さあ、追いますよ、時間も測り、飛んで帰ってくるまで3分ほどになる、さらに追い
確実に近づいている、そして、2分弱、もう近いぞ!この辺やぞ!
そして、しっかり目を釘付けにして目印を追う、驚愕や!なんと、葉っぱに目印を絡めて取りやがった!ほんで巣に近づくにつれて警戒しとる、まっすぐ巣に帰らんらしい
むこうも必死や、いやこっちも必死や!今度はワイが飛ばす方で師匠が付近で待機や
「師匠いきまっせー」
「はいよー」
「あったぞー」
「どこですかー」
「ここやー」
感動と安堵
ここやったんやね、昨日ここの横で待ってたのに全然こんかったやん、すぐ近くやったんや、つれないわ。でも最後は師匠さすがやわー。あー、ほんまによかった、文章書きながらまた思い出してきたわ。泣ける(嘘やけど)実はこの日もそんなに時間かからんのかと食糧もってこなっかったんや、ほんで確かもう15時頃なってたか、昨日に続き腹ペコや。米が食べたーてしゃあなかった。
でも見つけた瞬間ぜーんぶ報われたわ。師匠ほんまにありがとうございました!
「今日は帰って、明日回収や」
「了解です」
三日目
朝一、迷う、おにぎりを作って持っていくかどうか、もうあの腹ペコの思いはしたくない、けどさすがに今日はもう巣を見つけてるし、昼には戻れるやろ、うん大丈夫や。それより、ペットボトルに穴あけてこれもっていこ、マムシいつ現れてもいいように!
よしいざ出陣!
もう道なき道も傾斜も慣れてきた、今日は楽しみやなー、いよいよ巣を持って帰るんや!
とウキウキで歩いていたら、きたー!マムシや!とりあえず枝で押さえる、用意してたペットボトル、in!捕獲完了!まさかこんなにすぐ役立つとはな
幸先ええぞー!ご機嫌や!そんで師匠、巣にまっすぐ向かうかと思いきや、違う方向へ
あらたなヘボを探すみたいや、なるほどせっかく山はいったら貪欲にいかなあかねんな
それなりにヘボきて追うがどうも方角がわかりずらい。そして思ったよりも師匠粘る。
なんだかんだ12時、腹減り警報が鳴りだす、こらあかん研修の身だがさりげなく提案
「そろそろ巣いきますか」
「そやな」
よっしゃ、いよいよや、どんなやろー、楽しみやなー!
そして昨日のポイントへ、ここでまさかの!
巣が見つけれない!!!!この辺なんは間違いない、昨日の記憶と照らし合わせて探すが、あかん。練り歩いて探すもみつからん!なんでや、ここまできて、なんか目印しといたらよかった、こうなったら
「昨日のポイントで目印つけて飛ばしますわ、師匠あと頼んます」
「そやな」
確か割とすぐヘボきて飛ばした
「師匠、いきまっせー」
「わかったー、ええどー」
「いきましたでー、どないでっか?」
「おー、ここや!ここや!」
再会、近く歩いてたのにわからんもんやなー
とりあえずよかった
ハートロッカー(地雷を処理する感動映画)みたいでかっこいい師匠。
よしこれは動画に収めよ、しかし私の服装はぼぼノーガード、紺色のTシャツもあんまりよくないんちゃうか、巣を掘るとき蜂は攻撃モードになるときと案外おとなしいモードの時があるらしい、とりあえずちょっとは離れとき、と師匠よりアドバイス。
巣の入り口はみつけても巣の本体がどこにあるかは掘らなわからんからできるだけ、巣を壊してしまわんようにやさしく攻めるわけやね。
こっからは動画でどうぞ!
なんか案外いけると思って結構近くで撮ったんよ、コチラも興奮してたし、でも終盤なるとさすがにヘボもちょっと怒ってチクリと刺されました。
そんなこんなで無事巣ゲット!
こうすることでヘボも安心するんそうやね。
白身の魚とか、鶏のささみとか、たんぱくなものを好むみたいやね!
まとめ
師匠三日間ありがとうございました!もうこれ以上ないぐらいの体験さしてもらいました。人生のやりたいことリスト叶いました!いずれ自分でもヘボ飼いたいと思います。
今回のヘボは11月頃まで飼ってから食べるそうで、そん時頂けるんかなー、また取材いこ!楽しみやなー。辛口の日本酒用意しとこ!
ヘボのポテンシャルおそるべし!
ドキュメンタル番組一本とれるレベル!
これは需要あり!
以上 完!